好きなカードを紹介していく。第三十五回「波動機」

 ごきげんよう。本巣だ。今回は、かつて専用デッキで活躍した名アーティファクトを紹介しようと思う。

 

 これだ。

 

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画像引用元: Gatherer - Magic: The Gathering

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波動機 (2)
アーティファクト

あなたが起動するサイクリング能力のコストは、それを起動するためのコストが最大(2)だけ少なくなる。


 初めて見た方は、ああやってしまったな、と思った事だろう。

 

 では通常通り、詳細を確認していく。

 

 先ずはマナコスト。特に色拘束もない無色2点だ。ほぼ全てのデッキに搭載可能なコストで、当時のマナ・アーティファクトを用いれば簡単に1ターン目から戦場へ出すことができた。当時の環境からするとかなり軽量な部類に入る。

 

 そしてその効果は、サイクリングのコストを(2)軽減する、というものだ。

 

 どこにでもありそうなコスト軽減カードだが、かなり危険なカードデザインである。

 

 コストを軽減する効果は慎重にデザインしなければならない。何故ならば、軽減することによってマナ・コストがゼロになってしまうカードが存在するからだ。

 

 この「波動機」はサイクリングというキーワード能力に限定された効果しか持たない。よって、環境にそれほど影響はないと踏んでいたのだろう。

 

 しかし、問題だったのは、サイクリングを搭載したカードだったのである。

 

 

 サイクリングコストが(2)

 

 ウルザブロックが発売された当時、サイクリングという新たなキーワード能力が生まれた。

 

 これは、サイクリング(X)を持ち、(X)のマナを支払い、カードを捨てることでカードを1枚引ける、というもの。

 

 一番の問題はここだ。

 

 当時のサイクリングは、"サイクリング(2)"しかなかったのである。

 

 2マナを使ってカードを1枚引いているので、青以外の一般的な呪文では相場のマナ・コストである。

 

 しかし「波動機」があるとどうだろう。このカードには、後続の軽減系カードのように、コストが(1)を下回る時、(1)にするという注釈文がついていない。

 

 即ち、サイクリングのXがゼロになってしまい、実質カードを捨てるだけで新たなカードを引けるようになってしまったのである。

 

 このことに気づいた当時のコンボデッキビルダー達は、こぞってこの「波動機」を使ったコンボデッキを組み始めた。

 

 

 波動機リアニメイト

 

 そしてスタンダードで猛威を振るったのが、この波動機リアニメイトだ。

 

 デッキの動きは単純明快。素早く「波動機」を置き、手札のサイクリングカードをひたすら捨て、そして大量のドローを行う。そして、サイクリング付きクリーチャーが十分に墓地に落ちた後、「水蓮の花びら」と「暗黒の儀式」から「生ける屍」をキャスト、戦場と墓地のクリーチャーをそっくり入れ替え、次のターンに相手へ大軍をけしかけ、勝利する。

 

 墓地の肥える速度たるや、ドレッジすら裸足で逃げ出すレベルである。

 

 途中でサイクリングカードを引けなくなってしまうのではないかと思うかもしれないが、このデッキは実に50枚近いサイクリングカードが投入されており、サイクリングが始まれば先ず止まらないほどの安定性を持っていた。

 

 とにかく「波動機」が簡単に戦場へ出てしまうので、対処が非常に難しい。

 

 そしてあまりに暴れたために、禁止改定で「波動機」はスタンダードから去ることになる。

 

 

 波動機バーン

 

 もう一つユニークな動きをするのが波動機バーンだ。このデッキも「波動機」を用いたコンボデッキだが、上記のリアニメイトデッキとは動きが異なる。

 

 キーカードは各種防御ルーンと「水晶のチャイム」だ。

 

 先ずは「波動機」を戦場に出す。ここまでは同じだ。

 

 そして次に、サイクリングによって墓地へカードを落として行くのだが、サイクリングするカードは防御ルーンばかりである。これはサイクリングのついた防御円のようなエンチャントで、各色に対応したものが存在する。

 

 十分に墓地が肥えたら次に「スカージの使い魔」を戦場へ出す。ピットサイクルなどでも活躍した、手札を捨てると黒1点を発生させるクリーチャーだ。残りの手札を使ってマナを発生させる。

 

 ここからが面白い。次に、手札に残った「水晶のチャイム」を出し、能力を起動。大量の防御ルーンが手札へと帰ってくる。

 

 もうお分かりだろう。この能力によって防御ルーンを捨て、大量の黒マナを発生させる。さらに手札に残った「水晶のチャイム」でマナブーストを繰り返し、最終的に「生命吸収」で相手のライフを吸い尽くす。

 

 カードプールの広いエクステンデッドらしい、非常に面白い動きのデッキだ。

 

 反省点

 

 このカードデザインに問題があったと認めたのか、WoCはサイクリング(2)のカードをクリーチャーカードを殆ど作らなくなった。(3)か、あるいは色マナを要求するデザインにすることで、完全にノーコストでサイクリングできてしまう問題を回避しているようだ。

 

 実に賢明な判断である。

 

 このカードを総評すると

 

強さ ⇒⇒⇒⇒⇒ ★★★★☆(星4・効果が強烈な割に軽量)

面白さ ⇒⇒⇒⇒ ★★★★☆(星4・動かしている人間は非常に楽しい)

理不尽さ ⇒⇒⇒ ★★★★★(星5・最序盤で機能する上に動き出せば止められない)

 

 ピンポイントでしか機能しないが、非常に強力なカードだ。カジュアルで使う際には注意したほうがいい。ソリティア状態で対戦相手はやる気を失ってしまうことだろう。

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