ごきげんよう。本巣だ。今回は、青に時折登場する、対象を変更するタイプのカードを紹介したい。
これだ。
画像引用元: Gatherer - Magic: The Gathering
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呪文滑り (2)
アーティファクト・クリーチャー - ホラー
(青/Φ):呪文1つか能力1つを対象とし、それの対象を呪文滑りに変更する。((青/Φ)は(青)でも2点のライフでも支払うことができる。)
0/4
スペルではなく、パーマネントによる能力である。おまけにクリーチャーだ。
詳細を見ていこう。
先ずはマナコスト。不特定マナのみの2点である。アーティファクト・クリーチャーの中でも軽量な部類に入り、キャストすることそのものに問題が出ることはまず無いだろう。そして色マナの要求もなく、どのような色のデッキにも搭載できる。
しかし、そのサイズは0/4と最低クラスだ。2マナであれば最低パワーが1はありそうなものだが、このクリーチャーは0。通常の状態ではほぼ戦闘で役に立たず、精々相手の小型クリーチャーを受け止める程度の働きしか見込めない。
しかし、やはりレアであるカードには理由がる。
このクリーチャーが持っている能力は、青かライフ2点を支払うことで、「呪文滑り」を対象に取ることができるスペルの対象を自身に変更してしまう、というものだ。
通常呪文は、意図した相手でなければ効果が半減、またはゼロ。あるいは、最悪の場合マイナスになってしまう事すらある。
「誤った指図」などであればカードを1枚使っているため一応1対1交換となるが、このカードはタップすら必要とせず、何度でも使うことができる。
防衛的な役割だが、かなり使えそうなクリーチャーだ。早速使い道を考えたい。
見た目以上の支配力
まるで戦闘能力を持たないこのカードだが、スタック上の戦いとなると途轍もないパワーを発揮する。
除去スペル無効化
例えば、ダメージを与えるタイプの除去を考えてみたい。対戦相手がオーソドックスな「稲妻」をキャストしたと考える。対象としたのは、こちらがコントロールするタフネス3のフライヤーだ。
通常であればフライヤーが焼かれ1対1交換を取られてしまうが、この「呪文滑り」が居れば状況は全く変わってくる。
青マナかライフの支払いによって対象を「呪文滑り」に変更する事で、このカードが3点ダメージを受ける事になり、対戦相手が狙った結果を得られなくさせる事ができる。
そして壁のような高タフネスによって3点ダメージを受けた「呪文滑り」も無事で、これによってアドバンテージを得る事までできてしまうのである。
強化スペル"乗っ取り"
このカードのメリットは除去の避雷針としてだけではない。相手の強化も牽制する事ができる。
例えば、こちらの攻撃に対応して、相手がブロッカーを立ててきたとする。そのままではこちらの攻撃で一方的に倒せる状況だが、相手はブロッカーに「巨大化」をかける事でこちらのメインパンチャーを討ち取ろうと動いてきた。
ここでも「呪文滑り」が力を発揮する。相手の強化スペルを能力で奪うことで、コンバットトリックを無力化してしまうのである。
結果として相手はブロッカーとインスタント1枚を失い、大きなディスアドバンテージを被った。
しかしながら、当然対戦相手もこのような状況を予想している為、迂闊にスペルを切ろうとはしないだろう。
その牽制能力こそが、この「呪文滑り」の真価とも言える。
「霊気の薬瓶」
そして何より、このカードとの相性は見逃せない。軽量クリーチャーを多用するアーキタイプでお馴染みの、「霊気の薬瓶」である。
このカードはカウンターさえ溜まっていればマナコストを踏み倒してクリーチャーを戦場に出すことができるが、これをコンバットトリックとして使うことができる。
手札に「呪文滑り」がある状態で、こちらのアタッカーが攻撃を仕掛ける。そして、対戦相手が上述のようなパンプアップ呪文や火力によって攻撃クリーチャーを除去しようとした際、「霊気の薬瓶」の能力を用い、「呪文滑り」を戦場に投入、続けて効果を起動し、スペルを奪い取ってしまえば、アタッカーの保護とアドバンテージを同時に得ることができる。
地味だが、デッキによっては守護神になり得るポテンシャルを秘めた良カードである。
このカードを総評すると
強さ ⇒⇒⇒⇒⇒ ★★★☆☆(星3・呪文の対象が広いほど強力)
面白さ ⇒⇒⇒⇒ ★★★★☆(星4・あらゆるものを吸着。限定版「Gleemax」)
理不尽さ ⇒⇒⇒ ★★★★☆(星4・最優先除去対象。存在しているだけで盤面のコントロールが困難)
今回は、ミラディンの傷跡ブロックに収録された「呪文滑り」を紹介した。単体ではあまり活躍できないが、少数のキーカードに依存したデッキであれば投入する価値は大きい。手の読み合いを楽しみたいプレイヤーに是非使ってみて欲しい1枚だ。
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